
2025年11月取材
国立大学法人 三重大学 本気宣言

互いに個性を認め合い、
一人一人が活き活きと活躍できる
大学づくりに取り組んでいきます!
三重の“知の拠点”として、より良い地域づくりをリードし続ける三重大学。男女共同参画やダイバーシティの取り組みは、早くから実践してきました。三重県の本気宣言への参加について「トップの本気を学内に見せる必要がある(伊藤学長)」。現在も2024年度に掲げた各種目標の達成に向けて、着実に取組を進めています。
伊藤学長と森脇副学長の両名に、ダイバーシティを実現するためのヒントについて伺いました。
1. 「互いに個性を認め合い、一人ひとりが活き活きと活躍できる大学づくり」の背景
良い案は即実践!リーダーシップを発揮
三重大学の男女共同参画の取り組みは全国的にも早く、2010年から学内で推進してきました 。伊藤学長も大学の開かれたムードについてこのように語ります。
伊藤学長「三重大学は自由人が集う場! 誰もが自分らしく働ける場です」
いま、全国の大学間では、優秀な人材の獲得競争が起きています。
男性、女性、障がい者、海外人材など、幅広い採用を実現するには、リーダーに明確な方向を示してもらうことが必要だと、ダイバーシティ推進を担当する森脇副学長は考えました。
森脇副学長「各学部のトップにダイバーシティの必要性を理解してもらい、行動してもらうため、学長の指揮が不可欠でした」
伊藤学長「良い取り組みは即実践!本気宣言もぜひやろう!」
学長の力強いリーダーシップのもと、ダイバーシティの取り組みの一つとして、三重大学では三重県の本気宣言に参加しました。

ダイバーシティは組織にとっての成長戦略
大学で働く人のうち、特に男女比が偏りがちなのが研究者。その中でも理工系の学部で女性の比率が下がりがち。これには理由があります。
・研究者になるには大学院への進学・卒業が必要。理工系分野では、そもそも女性の進学者が少ないこと
・女性研究者は出産・育児などのライフイベントで研究時間が減少しがち。中断なく研究してきた人と比べて不利になりやすい
伊藤学長「出産・育児だって素晴らしい経験だと捉えたい。三重大学には、研究一本の先生も、色んな経験をしてきた先生もいてほしい」
リーダーとしてこのことを何度でも言いたいと伊藤学長は力説します。

2. 働きやすい三重大学の具体的な取り組み
目標と進捗状況を何度でも共有
2024年度の本気宣言では、具体的に4つの目標を掲げました。
1.女性教員比率を21%以上とします!
2.男性職員の育休取得率を30%以上とします!
3.有給休暇の取得状況改善と特別休暇の取得推進を図ります!
4.所定外労働時間の削減を図ります!
伊藤学長「学長、副部長と各学部の学部長が集まる“人事協議会”という場を2024年度から設けています。月に1度集まるその場では、目標と実態の数値が“見える化”されています。毎月言い続けることが大事!」
学長は、“本気”の言葉を、毎月繰り返し語り続けています。
学内保育園の長い歴史が強みに
出産、育児、介護、闘病などは誰にだって起こるもの。三重大学では、このようなライフイベント中の教員に対して、研究を継続できるよう補助者を雇う経費を助成することにしました(2025年後期は16人が利用中)。
一方、大学職員に対しては、事情に応じてフレックスタイム制や、時差出勤、在宅勤務などを利用可能に。新しい制度づくりのために、定期的に学内アンケートも行い、現場の声を拾います。
森脇副学長「もう一つ、三重大学の働きやすさの理由に“学内保育園”があります」
三重大学では昭和40年代(1965年ごろ)から託児について議論されてきました。大学内に「さつき保育園」が開園したのは1973年。
開園当初は病院関係者のための保育園でしたが、現在は全ての学部に向けて開かれています。
森脇副学長「今では『大学内に保育園があるから』と三重大学を志望する職員さんや研究者さんもいるほど無くてはならない場所です」
育児と仕事を両立しやすい環境づくりが、三重大学には古くから整っていました。
3. 本気宣言のその後
開かれたHPと談話室を開設
三重大学をより働きやすい場にするための“本気”の取り組みは続きます。ひとつは2024年度にリニューアルされたホームページ『三重大学 ダイバーシティ・インクルージョン推進室』(https://www.diversity.mie-u.ac.jp/ )。
三重大学にはどのような休暇制度や補助金制度があるか、学内だけでなく学外の誰にでも見ることができます。
もうひとつは事務室を『ダイバーシティ・インクルージョン推進室』として開放することに。
森脇副学長「気軽に立ち寄って、悩みやアイデアを語り合える場にしたい。誰もが安心できる部屋になるよう、工学部の先生に部屋をデザインしてもらいました。
子連れでの利用や授乳、お祈りなど多様なニーズに対応でき、テーブルや椅子も立場を越えてフラットな会話ができるよう工夫されています」
オープン初年度にはミニセミナー「更年期との付き合い方」を開催。参加者は名前や立場を明かさず、自由な発言の場としました。

ダイバーシティ推進に終わりなし
伊藤学長「多様な採用の実現は、言い続けないと難しいことが分かりました。だから『色んな人に来てほしい』とか、女性の求職者さんに向けて『あなたが必要だ』と言い続けたい」
三重大学の女性教員比率は2025年11月時点で目標の21%を達成。目標を上方修正し、今後も引き続き女性教員を増やしていきます。
森脇副学長「三重大学は地域の“知の拠点”。多様な人々が伸びやかに暮らせる社会を、地域とともに作っていきたい」
誰もが働きやすく、組織は発展できる社会を実現するため、三重大学の先進的な挑戦はこれからも続きます 。
-団体情報-
株式会社 国立大学法人 三重大学
住所:三重県津市栗真町屋町1577
公式サイト:https://www.mie-u.ac.jp/


