土木工事積算ソフト『Gaia(ガイア)』が、名だたる企業から厚い信頼を受ける津市の『ビーイング』。その採用担当が鈴木美咲さんです。
社会人2年目に総務部に配属、そして当時未整備だった新卒採用の専任担当へ。入社志望者増を目標に模索し、今や採用のプロフェッショナルに。 育休を経て、部下を持つサブマネージャーと育児の両立に奮闘中です。
「育児もキャリアも大事にできる環境づくりを続けて、まずは私が社内のロールモデルの一人になれたら」と語る鈴木さんに、“前向き仕事術”について伺いました。
1. 採用業務の“型”づくりに挑戦
研修後すぐに未整備部門の主担当へ
鈴木さんが入社後研修を経て、初めて配属されたのが、新卒採用担当業務でした。
「当時は、上司が兼務で担っていた仕事だったため、決まった型が確立されてなく、手探り状態でした」
今では、部下たちが鈴木さんを頼り相談しています。会社説明会の資料の内容、どんなトークで学生の心を引きつけるか。
これらのノウハウを整備したのが鈴木さんです。
志望者を増やすには
就活サイトには何を書くか、会社説明会で何を話すか、学生たちにどのように向き合うか、全てが試行錯誤だったと振り返ります。
当時を学生側から見ていた社員が、今では鈴木さんの部下として働いています。
「企業の話題からそれた業界の疑問まで鈴木さんにメッセージで質問していました。他社の採用担当者さんは事務的な返事でしたが、鈴木さんからの返信は丁寧で分かりやすくて。その親しみやすさが入社するきっかけになりました」

2. 採用業務で社長賞を受賞
多様な学部から集まるように
入社志望者は増えれば増えるほど、より良い人材の採用に繋がり、会社に良い効果をもたらします。そのため、鈴木さんの一番の仕事は“応募者を増やすこと”でした。
「弊社はソフトウェアの会社ですが、実は文系出身者のほうが多数。“学部にこだわらない”という発信を続け、結果、色々な学部出身者の採用に繋がっています」
手法にコツはなく、ただただ一生懸命にやってみたと振り返る鈴木さん。やがて中途採用の業務も担うことになりました。入社から5年ほど経った頃で、まだ20代でした。
コロナ禍では迅速にオンライン化
仕事上の最大のピンチはコロナ禍だったといいます。2020年はコロナ禍の影響で、2月にあらゆる就活イベントが一斉中止になりました。
「大慌てでオンライン説明会に切り替える準備をしました」
多くの企業で停滞してしまった採用活動。一方ビーイングは空白期間なく例年通りのスケジュールで実施できました。その対応のおかげで学生たちから注目を集め、結果として採用強化に繋がりました。
この実績が評価され、鈴木さんは社長賞を受賞。採用担当部署は拡大し、鈴木さんはサブマネージャーに昇進しました。

3. 社長直轄の全社横断プロジェクトに参画
「意見が必要」と頼られるように
今では採用業務の全工程を把握し、中心的な役割を担う存在となった鈴木さん。学生や社会人の“生の声”に触れる機会も多いため、社内でも頼りにされています。
社内プロジェクトでも意見を求められるようになりました。ビーイングでは独自の取り組みとして、津田誠社長の“直轄プロジェクト”があります。あらゆる立場の社員が自由に発言できます。
「自分から手を挙げ参画しましたが、『人事の目線は会社にとっても必要だから』と喜んでもらえました」
社内の“熱い”気風の影響も
社長直轄プロジェクトのうち、鈴木さんが参画したのは『自社のブランディングを考える会』と『自社の使命と今後の事業を考える会』の2つ。
「そのうちのひとつは、従業員の10%を超える40人もの参加希望がありました。弊社はみんな熱いんですよ!」
鈴木さんの部下も「困っている時、質問に行くよりも先に声をかけてくれる社風を感じます。」と語ってくれました。
4. 育児と仕事の両立に挑戦中
サブマネージャーで復職
キャリアの転機は2024年の出産と振り返ります。2025年8月に復職。取材時は復職して3か月で、育児と仕事の両立を模索中です。
「入社時からママ社員が多くいる会社だったので、出産後も仕事を続けることに全く疑問を持ちませんでした」
復職後の仕事は、育休前と同じ、採用担当のサブマネージャー。ビーイングでは、どの社員も育休前と同じ職場に戻れるのが特徴です。
復職後に身につけた「1分を使いきる!」
現在は9時から16時の時短勤務中。限られた時間で仕事をやり切るために、仕事への向き合い方を工夫しています。
「元々は完璧主義でじっくり時間をかけて取り組みたい性分。ですが、復帰後は後回しにしている余裕は無いので、“1分でやりきる・途中まででも進める”という意識がつきました。」
仕事を切り上げたら、今度は育児に全力投球。子どもとの時間に集中することにしています。
「今も時間の使い方を試行錯誤中です。これからちょうどいいバランスを探っていきたいです」

5. 自分がしてもらった事を次の世代に…
困っている人に率先して声かけ
周りの人は鈴木さんを「勉強熱心な人」と評価していますが、本人は「会社の風土のおかげ」だと話します。
「私自身も、上司や先輩にたくさん教えてもらってきました。分からなくて困っている人がいたら、自然と助け合う文化があるんです」
特に影響を受けたのは直属の部長。鈴木さんが就活していた頃に採用担当として出会いました。入社後の今では、部下と直接対話の機会を多く作る、積極的な姿勢に刺激を受けています。
育児とキャリアを両立する社内モデルに
現在社内には多くの女性役職者がいる一方、“育児の真っ只中”と“管理職”を両立する女性社員が少ないことに鈴木さんは気づきました。
「育児もキャリアもそれぞれ大事にできる環境づくりを続けて、まずは私が社内のロールモデルの一人になれたらと思っています。」
取材時には、「私が特別な社員なのではなく、むしろ皆から刺激を受けっぱなし」だと力説した鈴木さん。仕事に対する明るい前向きなムードを、鈴木さんのお話から感じられました。


